すべて / 健康・医療 / 政治経済(海外)

ある製薬会社(製造者)とある国(購入者)の間の契約書(真贋は不明)

(※これは2年ほど前に別のプラットフォームに上げた内容の再掲です)

ネットで流れていたとある契約書。真贋を含めて素性は定かではないですが、ちょっと訳してみました。気になるところは太字・イタリックにしてあります。

この契約書はかなり厳秘になっていて、噂では一方的に製薬会社側に有利と噂されていました。しかし、一見した感じでは、今回の騒動に対して製薬会社側が「善意」なのであれば、「相手によってはこう言いたいのはわからんでもない」という内容が多いです。つまりそんなに滅茶苦茶でもないように思います。例えば、強烈な独裁国が難癖をつけて代金を踏み倒したり、損害賠償を訴えてとんでもない請求を起こしてきたりというリスクもありますので。

とはいえ、製造者側の責任は「仕様に合ったものをしっかり(GMPで)作って届けるよう『頑張りま~す!』」という、つまり「それが責任って言えるか?」というものだけで、それ以外は「何が起きても購入者側の責任、損害賠償を訴えられても購入者側が全責任をもつけど、お金はしっかりもらいますよ(^^;)」ということなので、この契約は片務契約という表現も間違っていないように思いました。仮に民主的先進国家向けも同様であったとしたら、どうなんでしょう。こんなのを受け入れていたとしたら、むしろその国の政府が隠したいでしょうね。ホントにそれだけの価値があると自分で判断しているなら別ですが。

ただ製薬会社の事情からするとプレッシャーの中、急ごしらえで開発したものだからという言い分もわからなくもない。あくまでも彼らが「善意の第三者」であればですけど。

あと「国家主権免責」は相当昔は絶対でしたが、最近は商業的・事務管理的取引については免除されないというのが国際慣行になりつつあるようなので、これ自体は直ちに問題というわけではなさそう。識者によれば「英米両法とも、外国国家との契約書において仲裁条項が挿入されていれば、その外国国家が自発的に国家主権免除を放棄したものとみなされ、その外国国家が主権免除の主張をすることは許されない。」とのことです。

こういうものには「目的」「仕様」「実物」があって、ポイントは
①仕様が目的を達成する内容になっているか。誰がどう確認するか。
②実物が仕様をあって合っているか。確認テストの方法は適切か?その通り実施されたか?結果は?
であるが、この点が確認できないので、最終的なこれだけでは判断は下せません。

では、個別の条文です。

——

(0)Whereas条項:
・製造者はG国法人の他社との連携で、ある疾病に対する薬品を開発している。
・製造者は治験完了後、製品に関する治験・販売の承認に関する手続きに責任をもつ。
・購入者は治験完了と政府承認取得後、その薬品の購入を望んでおり、製造者は製造・販売を望んでいる。
・従って、両者は本契約と取決めを実行する。
・両者はこれらを約因として本契約を締結する。

(1)定義:

(1-1)「Adjusted Delivery Schedule」は(2-4e)で説明される。
(1-2)「Advanced Payment」は(3-2a)で説明される。
(1-3)「Affiliate(s)」はそれぞれの会社が「支配」する法人等である。
下記の内、1つでも当てはまれば「支配」していると推定される。
 (a)法人の場合、50%以上の直接又は間接的な株式所有又はオーナーシップ
 (b)非法人の場合、50%以上の直接又は間接的な持分所有又は経営や方針決定権限
(1-4)「Agreement」はこの製造販売契約書とすべての添付文書であり、修正・言い換え・追加されたものを含む。
(1-5)「Allocation」は(2-5a)で説明される。
(1-6)「Authorization」は条件付き承認や販売承認を意味する。
(1-7)(※割愛:共同開発他社に対する言及)
(1-8)「Business Day」は製造者側・購入者側の土日・祝日は除く。
(1-9)「Commercially Reasonable Efforts」とは、製造者の適切な目標達成に向けた努力であり、それは同規模の製薬会社が同様の商業的目的を達成する為に、同様の環境下での適切なリスク・不確実性・制限や挑戦(開発・製造・上市・流通)を考慮して行う努力で、以下の要因を考慮したものである。即ち、
その努力がなされる時点での、実際の又は潜在的な安全性・有効性・新規性・商品特性・特許・市場競争環境・参入タイミング・規制環境・法規制・当該商品又は類似商品の過去実績・生産能力・材料調達力・その他科学面/技術面/実行面/商業面の要因。
(1-10)「Conditional Approval」とは米国FDA及びEU又は購入者の国の薬品医療機器監督機関から当該製品に対して発行されるCMA(Conditional Marketing Approval:条件付き販売承認)やEUA(Emergency Use Authorization:緊急使用許可)を意味する。
(1-11)「Confidential Information」とは「Exempt Information(注:1-19に定義あり)」を除くあらゆる形態の情報で、直接又は間接と問わず購入者(及びその代理人)に開示されたもの。開示・送達・提供・学習・観察等、方法は一切問わず、「Condidential」との印が入ったもののみならず、口頭の場合でも「Condfidential」であると宣言されたもの、又は30日以内に書面でConfodentialであると確認されたものを含む。また、本契約書の内容もConfidentail Informationに含まれる。
更に、書面で開示されたがConfidentialと書き漏れた場合でも、当該情報の専門家が合理的に、その情報の性格や開示された時の状況に基づいて、当然Confidentialとして取り扱うべきであると開示元が証明すれば、それによって直ちに「Non Confidential」と取り扱われるものではない。開示元が「Confodential」と明示する努力は当然必要ではあるが。
(1-12)「Contracted Dose」は(2-3a)で説明される。
(1-13)「Current Good Manifacuring Practice」あるいは「cGMP」は、アメリカの連邦法で定められている「Good Manufacturing Practices」、EUの「Good Manufacturing Guideline」あるいは、その後改訂・改正され、製造時点で存在するものを言う。
(1-14)「Delivery Price」は(3-2b)で説明される。
(1-15)「Delivery Schedule」は(2-4d)で説明される。
(1-16)「Delivery Specification」は(2-4d)で説明される。
(1-17)「Disclosing Party」とはConfodential Informationを相手方に開示した者である。
(1-18)「Effective Date」は序文で説明されている。
(1-19)「Exempt Information(=秘とならない情報)」とは以下の情報である。
 a)被開示者が、その情報開示前に、既に合法的に入手し証明できるもの。
 b)既に公開情報であったか、被開示者がこの契約に違反することなく公開情報となったもの。
 c)被開示者が、開示者に対して守秘義務を負わない個人から、妥当な求めにより合法的に受け取ったもの。
 d)被開示者が機密情報を使うことなく独自に開発したことを開示者に合理的に証明できる場合。
一般に開示されている場合でも、そのことがそれらに関連するより詳細な情報を上記a)~d)の「Exempt Information」とすることにはならず、同様に個別にはExempt Informationと考えられるいくつかの部分的情報の組み合わせも、その組み合わせが独自開発や合法的所有のケースでない場合はExempt Informationとは認められない。

(1-20)「Facilities」とは、製造者の(注:特定の)工場である。
(1-21)「Foece Majeure Event」とは(12-9)で説明される。
(1-22)「Forms」は(12-3)で説明される。
(1-23)「Government」とは当該国の政府機関であらゆるレベルのものを含む。
(1-24)「ICC」は(12-2)で説明される。
(1-25)「Indemnified Claims」は(8-2)で説明される。
(1-26)「Indemnitees」は(8-1)で説明される。
(1-27)「Intellectual Property」とは
a)工程、営業機密、発明、産業モデル、デザイン、方法論、図面、発見、結果、材料、調合、作業手順、技術、医療データ・技術・手法・情報、製造、生産技術、技術図面とこれらの知的財産であり、
b)登録商標、登録申請中の商標、未登録商標、製品の表装、著作権、ノウハウ、特許、特許申請などで、暫定的・分割的・継続的・一部継続的・延長・置換・書換・登記・更新・再発行や追加的なものを含み、また前述の特許等の補充的保護なども含まれる。
(1-28)「Labelling and Packaging Specifications」は(2-4e)で説明される。
(1-29)「Latent Defect」とは、商品が購入者に届いた時点での購入者が示すことができる商品仕様に合わない商品欠陥であるが、それは購入者やその指名した人または運送人が詳細に検査しても発見できなかったものである。
(1-30)「Law/s」とは法律、慣習法、法令、規則などの一切を含む。
(1-31)「Losses」は(8-1)で説明される。
(1-32)「Marketing Athorization」とは、FDAやECなどの規制機関が認可する販売許可である。
(1-33)「Non-Complying Product」は(4-4a)で説明される。
(1-34)「Party」あるいは「Parties」とは、序文で説明された内容である。
(1-35)「Person」とは自然人、法人、各種組合、パートナーシップ、政府などを含む。
(1-36)「Personnel」とはこの契約を履行するために製造者・購入者が使用する子会社、外部業者、従業員、代理店などを指す。
(1-37)(※割愛:製造者側の名称)
(1-38)(※割愛:製造者側の名称)
(1-39)「Point of Delivery」は(2-8a)で説明される。
(1-40)「Price」は(3-1)で説明される。
(1-41)「Privileges and Immuninities」とは、例えば無過失補償制度(加害者の有無に関係なく被害者に補償する制度)、パンデミック保険、訴訟からの法的責任免除条項や責任制限を含む購入者の国における免責特権であり、将来のに対しても免責されるもの。
(1-42)「Product」とは、この契約によって、(ある特定の)疾患を予防するために製造者や関連会社によって直接・間接的に供給される薬品を言う。
(1-43)「Product Material」はProductの流通に必要な梱包・包装の原材料を言う。
(1-44)「Purchase Order」とは購入者によって、この契約書に基づいて、X社に対して書面又は電子的に発行された添付フォームによる注文書である。
(1-45)「Purchaser」とは序文に書かれている。
(1-46)「Receipent」とは機密情報を受領する側である。
(1-47)「Record」とはこの契約の義務の履行に関連する書籍、書類、その他データである。
(1-48)「Representative」とは被開示者側の関係会社、責任者、従業員、代理店、外部契約会社、コンサルタント、顧問契約会社など、a)本契約に含まれる条件と同程度の機密保持の責任を持ち、b)本契約に関連する機密情報を知る必要のあるものである。
(1-49)「Specification」とは製品の製造、加工、包装、ラベリング、検査、検査プロセス、出荷、保管、供給に関わる材料仕様書で有効期限とともに本契約に添付されている書類であり、製造者によって変更・追記されると購入者に通知される。
(1-50)「Taxes」は(3-4)で説明される。
(1-51)「Term」は(6-1)で説明される。
(1-52)「Third Party Beneficiary」又は「Third Party Beneficiaries」は(12-6a)で説明される。
(1-53)「USD」は米ドル(アメリカの法貨)である。
(1-54)(※割愛:製品の目的)
(1-55)「VAT」はValue Added Taxのことである。
特別に定めのない場合は、
 (a)性別表現を使う場合は片方又は両性を含み、単数形の場合でも両方を含むとみなす。
 (b)「imclude」「includes」「including」という単語には「without limitation」の意味(例示列挙である)を含む
 (c)「will」という単語は「shall」という単語と同様の意味を持つ(義務の賦課)
 (d)その他の契約書や法律文書が本契約で参照される場合はその参照書類の変更版も本契約の参照先と見なされる。
 (e)「Person」が参照される場合は後継者も含まれる。
 (f)「herein」「hereof」「hereunder」などは、本契約の特定の一部ではなく、全体を参照していると見なされる。
 (g)本契約でいう添付などのすべての参照は本契約のものを言う。
 (h)「notice」は書面によるものであり、通知・同意・承認など、この契約に基づくその他の書面も含んでいる。
 (i)本契約が特定の法律・規則等を参照する場合は、修正版や後継版の法律をも参照しているものとみなす。
 (j)「or」という単語は「and/or」同様に「inclusive sense(※意味不明)」で解釈される。

(2)製品供給:

(2-1)供給に関する契約
(a)製造者は製品供給に関して商業的に適切な努力(注:自社の利益を考慮する範囲での努力で、自社が損失を出してまで行う必要はない)を行い、購入者はこの契約書の条項を遵守して製品を購入する。
(b)購入者は以下について合意する:
i)製造者の開発に向けての努力はかなりのチャレンジであり、リスクと不確実性に富んだものであること。
ii)既にその疾病に対する他の治療薬が承認されているとは言え、現在でも人々の生命や健康へのシリアスな懸念を引き起こしており、治療薬が緊急に必要とされている状態に変わりはないこと。
c)これまでの様々な努力を続け、納入スケジュールの条項に予定日が記載されているが、両者は製品が現在も第二相b及び第三相終えたところであり、製造者の研究開発製造に関する努力にもかかわらず製品が技術・治験・規制・製造・出荷・保管やその他のチャレンジや失敗のリスクを持っていることを両者は認識している。
d)従って、製造者が開発に失敗する、または本契約に記載されている予定日に製品承認を取得できないことに対して責任は負えないこと。例え開発・承認取得に成功したとしても、予定日までに供給できない場合がありそれに対して製造者は責任を負えないが、その場合でも購入者は注文済み注文をキャンセルできないこと。
e)製造者は購入者に対して製品の開発進捗を通知し続け、購入者の正当な要求に応じてそのような情報を提供する。

(2-2)生産能力:
製造者は本契約に応じて購入者の製品を提供するための生産能力を確保する為に商業的に適切な努力を行う。

(2-3)注文書:
(a)(9-6)に記載されている注文書を製造者が受領した時、購入者は法的に有効かつ取消不能な発注したこととする。
(b)注文書は発注番号、住所とともに発行される。製造者は書面で本契約に記載されたTerm(売買条件)で受注したものとして受け取り、その注文書は両者を本契約で拘束する。

(2-4)納品スケジュール:
(a)製造者はCIP(輸送費・保険料込条件)で運送する。
(b)両者は契約発効後速やかに、書面で製品の受渡地を合意すること、但し、
i)本契約添付Dの条件を満たしていること、
ii)出荷日の8週間前には書面で合意していること、
iii)製造者が利用する運送業者が営業している場所でありこと、
iv)購入者がその受渡地を承認していることを購入者の公式レターヘッドの付いた文書で示し、また製造者が出荷前にその承認を確認するために必要な追加の情報を、製造者の求めに応じて提供するものとする。
もし両者が受渡地に関して必要な時期までに合意に達しない場合は、製造者は納品スケジュールの変更権利を持つ。
製造者は受渡地の数をビジネス上正当な範囲で(reasonably)制限することができる。
更に、両者は以下について合意した。
a)製品に関するリスク(ロス又はダメージ)は本契約(2-8a)で記載される受渡地で購入者に移ること、
b)本製品使用場所でない場所への運送を含むそれ以降のすべての運送は、本契約添付Dの遵守のみに限らず、購入者がすべてのリスクを負うこと。
(c)(※割愛:出荷の最小単位)
(d)製造者は分割納入する可能性があり、本契約添付Bに書かれた納期遵守に向けてビジネス上正当な範囲での努力を行うが、製品は承認を受けるまでは出荷できないし、(9-5)で定めた製造者側の要求(※製造者側の免責)を満たさなければ出荷はできない。全ての出荷は本契約添付Cが同梱され、添付Dに記載された出荷仕様に合わせて出荷される。
(e)製品は本契約添付Eに記載された梱包仕様に基づいて梱包される。外国の購入者は当該国における言語表記等の梱包仕様要求に責任を持つこととする。
(f)もし承認が2021年3月31日~6月30日に得られた場合は、3月31日から承認日までの日数が従来の納品スケジュールに追加される。しかし仮に承認が3月31日以前であっても、製造者は納品スケジュールを前倒しする必要はない。
(g)承認が3月31日までに得られた場合で、製造者が約束の数量の製品を納品できない場合、製造者は商業的に適切な努力を通じて他の工場からの入手に努める。
(h)もし承認が2021年3月31日以降9月30日以前に得られた場合で、製造者がどの工場使っても発注数量を生産できない場合では、納品スケジュール、修正納品スケジュール、注文の数量に応じる義務は免除される。

(2-5)数量不足:
(a)承認を取得しても、他の市場向け在庫を転用しても注文(又は修正された注文)の全数量を満たせない場合はその状況の通知を行う。その通知を入手した購入者は直ちに(24時間以内)その通知の内容を実行すること。他の市場への在庫の転用に関して、製造者は製造者が決めたルールに応じてアロケーション調整を独自に決定する。その場合購入者はその変更に同意すると見なされる。
(b)購入者は法律に定められた以下のすべてのケースで権利・救済要求を放棄する。
i)契約に書かれた開発や承認取得ができなかった場合。
ii)納品スケジュールが守られなかった場合。(2-5)項と本契約の他の条項との間に不整合がある場合は(2-5)項が優先する。

(2-6)納入遅延:
製造者はどのような状況でも納入遅延によるペナルティは受けない。

(2-7)製品の取扱:
(a)製造者は製品が仕様・cGMPに適合するように生産されるよう商業的に適切に努力する。
(b)購入者に製品が納入された後、それ以降の製品使用場所でない場所への物流・保管ついて、購入者は製品の品質を守るために本契約書添付Dにある方法を遵守すること。
(c)誤解を避ける為に記すと、購入者は製造者の受渡地から以降の物流・保管のコストを負担する。
(d)外国の購入者は当該国での保管・取扱・物流・運搬・管理・使用・廃棄に関して単独で責任を持つ。契約書内のこれまでの条項の一般的な意味に影響を与えずに(※つまり以下は例示列挙として)、購入者は以下のことを保証する。
・受取人は開封後又は未使用の製品と梱包材を廃棄する場合は本契約添付Fの指示に従って行うこと。
・返品・廃棄の際には医療廃棄物に関する法律に従うこと。本契約添付Fには購入者がそれを守らず処理した場合、製造者がそれにかかわるコストを購入者に請求できることを記載している。
(e)購入者は製品の供給に使われる機器等を、それらの適切な動作維持のために、適切でクリーン・安全な場所で保管する責任を持つ。受渡地で受渡が完了した30日以内に、購入者はそれらすべての機器を製造者の指示に基づき安全に返却する。
(f)購入者が製品を安全に合法的に取り扱う為の製品の取扱手順(含、トレーニング)の作成する支援の為に、製造者は安全データシートやその他情報を購入者に提供することがある。購入者はそれらを作成するのに必要な知識を持ち、製品等の適切な取扱ができることを表明し保証する。

(2-8)所有権及び危険負担:
(a)製品の所有権及び危険負担は購入者の国の最初の入国地の税関手続き前の場所とする(=受渡地)。製造者は、購入者への法的に適切な通知をもって、受渡地を可能な限り近隣の場所へ変更する権利を有する。価格建は当初取り決めた受渡地ベースでのCIP(輸送費・保険料込条件)である(※「and Point of Delivery」の意味不明)。この契約書でいうCIPはINCOTERM2020(国際商業会議所定義の標準貿易条件)によるものである。
(b)購入者は当該国での唯一の輸入者であり、当該国での輸入許可、税関手続などを自らの費用で行う責任を持つ。購入者は税関申告・税金・その他諸経費を支払う責任がある。
製品の性質を考慮して、購入者は製品が受渡地に到着後1営業日以内に税関手続きを終えるために必要な支援を運送業者に対して行う。ここでの遅れは製品の有効期限に影響を与える可能性がある。製造者が書面による事前承認を出せば、購入者は税関手続に運送業者を利用することができる。購入者は通関に必要な書類は本契約添付Hにリストアップされているものであることを確認する。
(c)上記の一般性を制限するということなく(=例示列挙として)、(2-8)に基づく所有権及び危険負担の移転以降は、(2-7d)(2-7e)の内容を遵守の上、購入者が廃棄等の責任を持つ。
念のために言うと、製造者が受渡地から目的地までの物流を運送業者を使って支援したとしても、製造者は受渡地以降の物流における棄損や紛失の責任は負わない。
(d)(4-4)の規定は別として、製造者はどのような状況でも返品を受けないことを購入者は理解する。特に(2-8)の手続きによって製品の受渡が完了した後は製品の返品は受け付けない。

(3)価格及び支払方法:

(3-1)価格:
価格は本契約添付Bに税抜価格で記載する。この価格は製造者の製造・受渡地までの物流など内部コストを含む。念のための追記として、(2-8b:税関手続費用等)のコストは含まない。価格は契約の期間中は固定である。

(3-2)請求書及び支払い:
(a)購入者は事前にNNNNN米ドルを、(9-6)に記載された承認を購入者が取得後に製造者からの発行される請求書の到着後30日以内に支払い、製造者はこの前金を受領するまでは出荷しない。米ドルから他国通貨に変換する際はこの契約書の日付の1日前のXXXXXXの為替レートを用いる。
(b)残りの金額は、少なくとも(2-4)に記載された各出荷の60日前に製造者が購入者に(3-3)で書かれた支払方法による請求書を発行する。それぞれの金額は各出荷の前に支払われる必要がある。
(c)請求書はXXXXX宛に送付される。製造者は次の情報を請求書に含める。注文番号、請求先住所、製品名、製品番号、数量、納入日付、出荷日、価格等。

(3-3)支払方法:
(a)購入者は請求書の日付の30日以内に支払う。支払いは製造者が指定する銀行口座に直ちに利用可能な電信送金で行う。支払期日が休日の場合は翌営業日とする。請求書に関する疑義はすべて書面で、適切な説明を付して、請求書発行日から10日以内に製造者に送ること。疑義の到着がこれより遅い場合は、購入者が請求書を受け入れたと見なされ、(3-3a)に書かれた方法での支払金額となる。疑義が発生した場合は、両者は迅速に誠実に解決を目指す。
(b)支払期日を過ぎた残額には以下の利息のうち高い方が課される。
a)XXXX銀行の基準金利、又はb)2%(※金利についてはよくわからない)
金利は1年を360日として計算する。また、適切に支払がなされない場合、この契約書に記載されているその他の救済手段とはに加えて、製造者はi)出荷停止、ii)本契約の終了、を行う可能性がある。
(c)購入者はこの契約上は、どの注文書も、他の契約・書面・法律も未払金額の支払いを保留・相殺・控除・引落することができない。

(3-4)税金:
・本契約に基づいて支払われる金額はVAT、あるいは類似の税金、製造・物流の結果発生するその他の税金(例えば関税・地方税など)などは含まない。本契約上の支払いに対してかかる税金については支払い側がその金額を負担することは両者は合意する。
この契約の履行に際して源泉課税として支払いが発生した場合は、その支払いを行った側がその金額を本来支払うべき側の受け取り分から減額できる。(※恐らく)

(4)製造標準と品質保証:

(4-1)製造標準:
製造者はcGMPで製品仕様に合った製造と供給を行う。製品仕様は承認対応や製造・物流方法の変更に応じて、製造者から購買者に書面で通知の上変更される場合がある。

(4-2)法令・規制上の要求事項
(a)製造者は、
・全ての規制機関・政府当局のライセンス及び規制に従い
・製造包装工程、製造場所はcGMPに従うこととする
但し、製造者はビジネス上適切な努力を通じて承認を取得するが、その条件として、購入者はできる範囲で契約書添付HのPart2の全ての要求(※特に販売承認を取得する為の書類や調査結果など)を放棄すること。
(b)製造者はすべての製品が適切にラベリングされ梱包され、承認・仕様・cGMPの要件を満たしていることを保証する。購入者は購入者の国で必要なラベリングや言語表記等に対して責任を持つこと。
(c)製造者は承認に対するすべての条件を出荷前に満たしていることを保証する。但し、購入者は製造者に代わって、承認取得後に製造者が購入者の国での供給の妨げになるような当該国独自の免責事項・例外事項・要求の放棄(例えば、シリアル番号化、ラボテスト・品質テスト、マーケティング情報フォームの提出)を取得すること。
(d)第三者が承認された者である場合は、本契約の製造者に関する義務はそれが十分果たせるように製造者が商業的に適切な努力を通じて、その第三者から入手するようにする。(※この条項が想定している状況がわからない)
(e)現在の状況、承認は最初は緊急使用許可であることが多いという事実、製造者が唯一の購入者への製品提供者であるという契約、ということから購入者は製品提供の条件として以下の点に同意するものとする。
(i)製造者は当該国に、製造者が後に自社の判断で置くことを決めない限り、現地代理店等を置くことを求められない。念のための記述として、購入者は以下の2点に合意する。
・製造者が規制機関に申請を提出する。
・承認は製造者の名前で認められる。
(ii)製造者は購入者や政府機関から承認取得のために基準価格証明の提出を求められることはない。

(4-3)品質テストと確認
製造者は、製品の仕様やcGMP実行に必要な全ての品質確認を行う。それらは、バルク状態での安定性、製造試験、作業評価(含、手法・工程・設備器具の清潔度)、原材料、仕掛品、バルク状態での完成品とその安定性(化学的・微生物学的)試験などである。

(4-4)受取拒否と廃棄:
(a)購入者は、製品が仕様やcGMP要件を満たしていない場合、製造者と運送業者へ書面による受取拒否通知と詳細な拒否理由の説明を、
(i)受渡地到着後直ちに(24時間以内)
(ii)不適合製品の到着後24時時間以内
(iii)潜在的問題 (=Latent Defect)の発覚から24時間以内
に提出する。その通知が届かなかった場合は、製品は受領されたと見なされる。製造者は購入者からの受取拒否や商品不適合通知には迅速に対応する。購入者は、商品の仕様やcGMP上の不適合でない限り、サービス上のクレームに基づく受取拒否を行う権利はない。
(b)製造者はそのような品質がらみのクレームに対しては迅速に原因分析を実施し、対策に関する報告を購入者に報告する。製造者側の検査によって、製造者側に責に帰すると認められた場合は製造者は商業的に適切な努力を通じて無償で商品を交換する。その場合、製造者は返品のアレンジと行う。回収が完了するまで、購入者はその不適合品を安全な場所に製造者の仕様を満たす場所で保管を行う。本契約の他の部分にかかわらず(4-4b)は購入者に対する唯一の弁済手段である。この(4-4)の規定は本契約に終了後も生き残る。

(4-5)メンテナンスと保管記録:
(a)両者は、法の定めに従い、本契約の元での活動に関して詳細な記録を保管する。
(b)購入者は受入・検査・保管・トレーサビリティ・リコールに対する品質システムを維持する。購入者がそのような品質システムを持たない場合は、製造者が購入者に紹介することがある。

(4-6)転用:
購入者に届けられたすべての製品は(a)購入者で適切に保管され、(b)購入者によって当該国内でのみ適切に流通され、それぞれのケースにおいて、盗難・転用・損傷・偽造・再販・再輸出の防止及び製品の完全性・有効性を保つようにすること。
購入者は、盗難・転用・破壊・偽造や乱用・誤用・放置・事故・不適切試用・不適切保管・不適切取扱・異常な物理的ストレス、異常な環境条件、製造者の指示に従っていない使用が発覚した場合は、48時間以内にEメールで連絡する。(その後は本契約の通知に関する条項に書かれているように文書でフォローアップを行う)。
通知には商品の変化に関する全ての情報、例えば日付・時間・場所・番号・バッチ番号、有効期限、状況、連絡先等の情報を記入すること。購入者は製造者の求めに応じて製造者への協力を行うこと。

(4-7)リコール:
購入者は、製造者及びその関係者が負担した分も含む全てのリコールコスト・市場撤退コストを負担する。但し、リコールや市場撤退が製造者側に責任に帰する場合は製造者側が以下の費用を負担する。(a)購入者が負担し記帳されている費用、(b)交換商品の費用

(5)表明保証:

(5-1)相互表明保証
製造者と購入者は以下の内容が真実でることを表明し保証する。
(a)組織と権限:
・本契約を締結するに十分に権限があり、本契約に定めた責任を履行する十分な能力があること。
・購入者は、契約締結に必要な承認を取得することができ、本契約に定めた責務全てを履行する権限があること、
・購入者の国の議会で決議された特別法に基づいて本契約を締結していること、
本契約は購入者の国の全ての公共調達に関する法規の適用を除外し本契約に定めた契約条件は全て実行可能であること、
・その特別法で規定された予算措置には予算や本契約の第8条の補償弁済を含む本契約のその他の義務に制限を加えないこと、
・そして本契約に定めた取引条件や条項に関して当該国政府に義務を課す権限があること。
(b)矛盾や違反の解決
一方による本契約の義務の履行が、契約開始時点又は承認取得時点で、
(i)その時の法令と矛盾や違反をしないこと、
(ii)その他の契約上の義務によって違反・債務不履行などを引き起こさないこと、そして本契約で定めた責務の履行を禁止されていたりしないこと。
(c)有効な行為
契約内容を実行する「Person」は組織から権限移譲を受け、その個人の行為が組織を拘束すること。

(5-2)製造者の担保瑕疵責任
製造者は購入者に対して以下の担保瑕疵責任を負う。
(a)製品は、その時の科学的知見では発見しえない場合を除いて、
 i)製品仕様書に適合していること(※material mannerの意味が不明)
 ii)GMPに基づいて製造されていること
(b)本契約(5-4a,b)を条件として、本契約に基づいて提供される製品は譲渡可能な権原を持つ製品であり、担保、先取特権やその他制限のない形で購入者に所有権が移転される。
(c)製造者による本契約の履行は製造者を相手方とするどのような契約にも違反しない。

(5-3)賄賂・贈収賄の禁止、外国貿易管理
(a)本契約の締結又は履行に際して、両社は、一方が他方に対し、本契約に記載される相互の約因を越えた要求したり与えたりすることはない。
(b)製造者は本契約の履行に際し。直接にも間接的にでも、政府関係者、政党、政府の職に就こうとするものに対して、何らかの金銭の支払いやその約束などは行わないし、ビジネス上の優位なポジションを得る為に不適切又は不正な影響力を求めたりすることはない。
(c)両社は契約の履行に際して、経済制裁、輸出入管理法・規制・命令などを遵守する。
(d)本契約の履行に際し、制裁を受けている組織・団体を巻き込まない。(国連、金融制裁、分野別制裁の対象として米国政府やEUから指定を受けている組織・団体など)
(e)本契約の条項にかかわらず(※つまり以下が優先する)、製造者は米国政府やその他の国が禁止している行動を取ること又は求められることはない。

(5-4)その他の表明保証:
本契約に明示されているものを除いて、両社に影響を与えるか本契約に付随するすべての条件・保証・その他契約条項は法令によって認められている程度を限度とする。
前項までの規定に関わらず、本契約が明示しているか法令の許容する範囲において、製造者は
商品に関して次の表明や保証を明示的に行わない。
(a)他者の知的財産権を侵害していないこと、
(b)製品の使用に際して他者の使用許諾が必要ではないということ、
(c)商品性(通常、商品として備わっているべき品質や機能)、
(d)特定目的適合性(購入者の目的に合致している否か)

※(c)(d)は案外よくある規定で、通常は「仕様書に合っている」ことだけが保証され、黙示的な保証は外されることが多い。
※(a)(b)に関しては微妙ではあるが、調査している時間がない場合、また製品の性質上他者の特許権侵害の可能性が低いと考えられる場合、最悪カネで解決できるなら呑めない条項ではないのでは。

(5-5)購入者の同意
購入者は本製品やその材料が現状の緊急事態の中で緊急に開発されたこと、及び本契約に基づいて製品が提供された後も引き続き研究が続けられることに同意する。
更に、購入者は本製品の長期的な有効性に関しては現状では知られておらず、未知の有害事象が発生する可能性があることを理解している。
そして、適用可能な範囲で製品はシリアル化(※serializeが何を指すのか不明)されないことに同意する。

(6)契約の終了

(6-1)契約期間
本契約はEffective Dateから開始され、第6条の要件、あるいは両社による書面での同意、または(9-6)による延長・終了がない限り、発注済製品の納入まで継続する。
(6-2)終了事由:
(a)製造者は、購入者側の重大な契約違反が発覚した場合は書面による通知を行いその後30日間問題が解決されない場合は、本契約を直ちに解除する場合がある。
(b)購入者は、製造者側の重大な契約違反が発覚した場合は書面による通知を行いその後30日間問題が解決されない場合は、本契約を直ちに解除する場合がある。
(c)前項の規定にかかわらず、その重大な契約違反の性質上解決ができない場合は解除側が相手方への書面の通知によって本契約が解除される場合がある。本項(6-2)の規定ににより製造者側が契約を解除した場合は、購入者は契約解除の通知の30日以内に残額を全て製造者側に支払う。

(6-3)合意による契約解除:
(a)以下の場合は、一方が他方への書面通知によって契約を解除する場合がある。
(i)製品が(指定期日)までに承認を取得できなかった場合
(ii)製品が(指定期日)までに納入できなかった場合
(iii)製品が(指定期日)までに納入できなかった場合
購入者は、契約解除の責任が購入者側にある場合を除いては、製造者に対して前払金から未納分の50%の返金を要求できる。本項(6-3)による契約解除の場合はこの50%の返金が購入者への唯一の補償である。
(b)仮に製品承認が(指定期日)までに取得できた場合でも、十分な量の供給が(指定期日)までにできない場合は、契約解除の責任が購入者側にある場合を除いては、購入者に対して前払金から未納分の50%が返金される。この場合は本契約は解除され、この50%の返金が購入者への唯一の補償である。

(6-4)支払不能・破産による契約解除
製造者側が以下の状態に陥った場合、製造者は速やかに通知し、購入者は本契約を解除することができる。(a)支払不能・破産に陥った場合、(b)資産の譲渡、担保権の実行、債権者への財産譲渡の実行、(c)解散、製造者の子会社を除く第三者への大規模な資産譲渡、(d)債権者保護のための管財人や破産管財人の選定

(6-5)契約解除の効果:
(a)どのような理由であれ、本契約が解除された場合は、
(i)購入者は本契約上の金額を30日以内に支払うこと。
(ii)両社は商業的に適切な努力をもって、以下を軽減させるものとする。(1)本契約の他の内容に従って回復可能なであるようなダメージ、(2)一方が何らかのアクションを取ることで軽減できるコストや出費。
(b)以下の条項はサバイバル条項として解除後も有効である。
(2.1b-d),(2-5b),(2-6),(2-7b-e),(2-8),(3-1),(3-3),(3-4),(4-4),(4-5),(4-6),(4-7),(5-4),(5-5),(6-2 last sentence),(6-5),(9-2),(9-3),(9-4),(9-5),(9-6),Articles 1,7, 8,10,11,12
(c)どのような理由であれ、本契約の終了や解除は、他の権利・補償あるいは解除日に未実現の権利・未払負債に影響を与えない。但し、(i)製造者は開発や承認取得の失敗に対しては責任を負わないし、(ii)製品が無事完成し承認を取得できたとしても、製造者は契約上の数量の供給の失敗に責任を負わない。

(7)知的財産権:

製品の開発・製造・供給に過程で生じたすべての知的財産権は製造者が唯一の所有者である。どちら側も片方が所有する所有権、資産使用権、知的財産権を得ることはない。

(8)補償条項

(8-1)購入者による補償
購入者は原因が何であれ(※後に例示列挙)、製造者側のあらゆる人間・組織(※原文中に例示列挙されているが割愛、以下で「被補償者(Indemnitee)」と表現する)をsuits(訴訟),claims,actions,demands,losses, damages,liabiities,settlement(解決),penaties,fines,costs,expenses(例えば弁護士費用、調査費、訴訟関連費用)から(※これらを以下で「損害(Loss)」と表現する)保護する(=訴えを起こされても購入者側で肩代わりすること)
その原因が、それが本契約に基づくものであろうが、不法行為であろうが、知的財産権であろうが、その他法的なものであろうが関係なく。
製品が原因の場合でも、製品に関しては、あらゆる事柄に関して(例えば、開発・研究・調剤・テスト・治験・製造・ラベリング・梱包・物流・保管・マーケティング・プロモーション・販売・購入・ライセンシング・寄付・分配・処方・投薬・供給・使用)を含む

(8-2)購入者による防衛の負担の仮定:
被補償者は訴えの補償を受けたい事象を購入者に通知する。その訴えが適法に行われているか否かに関わらず、通知を受けた購入者は速やかに防衛の為のアクションを、その被補償者にとって受け入れられる程度の弁護士助言を受けて、その被補償者に代わって取り始める。
但、購入者が対策案をあらかじめ事前に書面によって提示し、購入者は被補償者の事前の書面による合意がなければならない。その合意は遅滞なく示すので、いかなる場合も被補償者の事前合意なしに購入者は対案を進めてはならない。関係者は購入者によりこの防衛動作に対し適切に協力をする。

(8-3)参加権:
訴えを受けた被補償者は独自の法的対応や購入者の防御行為に参加する権利は保持している。被補償者が本項(8-3)に基づく参加の意思表明をしなかったり遅れたりした場合でも購入者の本条項(8)の義務は、購入者が実際に被害を受けない限り変わらない。

(8-4)製造者の防衛動作への参画
前項の規定にかかわらず、また(12-6)に加えて、製造者は直接又は関係者を通じて、訴えを主導的に引き受ける場合がある。
(a)被補償者が訴えを受けて30日以内
(b)製造者が以下を認識した場合はいつでも、
(i)購入者が訴えから誠意を持っても製造者を十分に守れない場合、
(ii)訴えに関して善意の利益相反が被補償者と購入者間に存在する場合
その選択が書面で通知されることで、製造者はその訴えを主導するが、それでも購入者は
かかった費用や損害、例えば弁護士費用・その他費用を支払うこと。どのような場合でも購入者は関係者と協力して訴えの防衛・解決・妥結を図ること。

(8-5)特権と免除
本契約の補償条項は、
(a)他のどのような特権と免責の妨げるものではなく、
(b)被補償者のいかなる特権と免責を放棄させるものではない、
ということに購入者は合意する。

(8-6)費用
訴えの防衛に関わる費用は全て購入者側が四半期ごとに負担する。例え購入者が被補償者に弁済を要しないような最終判決や仲裁を受けた場合に購入者が受け取れる返金とは無関係である。

(9)保険と賠償責任:

(9-1)保険
契約期間中、製造者は本契約の履行をカバーする一般賠償責任保険を自家又は保険会社経由でかける。それは製薬業界で同様の業務を行っている会社が一般的にかける通常の保険である。但し、この保険は第三者あるいは患者からの訴えに対応する製造物責任をカバーするものではなく、そのような訴えに対応するのは購入者側に役割である。

(9-2)賠償責任の限度
(a)次項(9-3)を例外として、どのような状況でも、
(i)片方は相手方に損害賠償の義務を持たない。それが不法行為(含、怠慢によるもの)・契約やその他を原因とする、本契約に関連する間接・特別・結果として起こる・偶発的・懲罰的なダメージ、意図していた取引や重大な契約違反で、合理的に予見できるものや、片方が相手方にそのような損害が発生する可能性を通知していようと関係なく。
(ii)製造者側は、明らかな製造者側の契約上の重大な違反で起こった直接的なダメージを除いては、購入者側への賠償責任はない。
製造者側は購入者側の第三者に対するどのような損害賠償に責任は持たない。例えば、補償の分担金や賠償の形式でも、購入者側が製造者を免責すべき事柄で製造者側を直接訴えたものであっても。
(b)製造者が補償する金額の総額は本契約の販売金額を上限とする。

(9-3)本契約上、以下のどの事項も、一方の責任を免除するものではない。
(i)詐欺、詐欺的な不実表示・陳述
(ii)第10項(秘密保持)違反
(iii)第8条(補償条項)による購入者の責任
(iv)本契約で定めた製品代金又はその他購入者が製造者に負う金額の不払い

(9-4)国家主権免責の放棄
政府が購入者の場合、購入者自身または購入者の資産が今持っている、あるいは将来入手するであろう免責特権を(それが国家主権免責又はその他の免責の形式を取っていようが)明示的・取消不能な形で放棄し、(12-2:仲裁)に従った、購入者の国のものであろうと第三国のもであろうと、仲裁又は仲裁の決定・指示を執行することを開始するその他の法的手続き、(12-2:仲裁)に関する和解等々を尊重する。、
購入者は(12-2:仲裁)に関連する仲裁の決定・指令・裁定を執行する目的において、明示的に取消不能の形でニューヨーク裁判所又は他の適切な裁判所の裁判権に服すること、そして本契約に署名したものが実際にその権限があることを表明し保証する。
また購入者は、明示的に取消不能の形で、製造者を保護すべき訴えの結果生じる損害の支払いを制限するようなどの裁判管轄の法の適用を放棄し、本契約や製造者を保護すべき訴え当該国の調達関連法規とは無関係であることを表明し保証する。
更に購入者は本契約の署名者がそのような免責特権を放棄し、購入者及び政府を同様に拘束することを表明し保証する。

(9-5)供給の前提条件
購入者は製品の使用や製品に関連するクレームや損害から製造者を免責するに十分な法的権限並びに十分な予算を持っていることを表明する。
購入者は製品供給の前提条件として、製品供給前に購入者がそのような法的権限や予算が常に使えるようにしておくこと、そして本契約の、(6-5)で規定されたサバイバル条項の義務を含む、購入者の義務を果たせるように使えるようにしておくこと。そして、購入者の準備が十分かどうかは製造者側の判断である。
製造者の商品供給は、特に購入者の(9-5)における表明、(9-5)における準備状況、本契約における購入者側の表明と保証に基づいているということを購入者は理解している。

(9-6)前提条件
購入者は更にこの契約書が発効するには、当該国では本契約締結後10日以内に議会による法律で承認されなければならない。購入者はその承認取得後速やかに製造者に連絡し承認書面のコピーを製造者んい提出する。それは添付Jに添付される。
購入者はその承認が本契約の重要事項であり、製造者はを基に契約を締結する。
前述の期間内にその承認が取得できなかった場合は本契約は自動的に破棄される。その場合は製造者側は購入者側に一切の責任を負わないし、本契約を修正したり新たな契約を結ぶ義務は持たない。また条項(6-5)はこの場合の契約終了にも適用される。

(10)機密保持

(10-1)非使用と非開示
機密情報を受領した者(以下、受領者)はその関係者を含めて、機密保持を厳格に行い、第三者への開示を禁止する。
特に、本契約の機密情報を、購入者側は自国の機密情報、営業機密、工業所有権の保護などの為の公共調達または情報権利に関する法律の条文を基に保護する。
受領者は本契約で認められている場合を除いて機密情報の利用・開示はしてはならない。
受領者は自社の機密情報と同レベル以上の保護手段を講じること。
受領者は本契約の義務を履行する場合においてのみコピー又は抜粋することが認められ、自社や第三者の利益目的で利用してはならない。
受領者が第10項(機密保持)に含まれる義務に違反する事実を見つけた場合は、速やかに開示者側に判明しているすべての事実について書面で通知すること。
更に、もし受領者が裁判所命令、法令、政府からの指示等で受領した機密情報を開示しなけらばならない場合は、開示の前に速やかに開示者にその内容を通知すること。それを受けて開示者は、適切な開示制限命令やその他救済手段、又は本契約の条項の遵守の放棄などの対策を講じることがある。もし開示者側が開示制限命令やその他の手段を求めた場合は、受領者側は開示者側を支援する(この場合は開示者側のコスト負担)。また、もし開示者側はそれらの対策を取れなかった場合は、受領者側は弁護士が必要と認める部分のみの開示とすること。
本契約又はその履行に際して、その知的財産権を含む機密情報に関するあらゆる財産的権利、法的権利、権益、権利請求を受領者に譲渡する、あるいはライセンス使用を許可するものではない。
前項の規定にかかわらず、(a)購入者は本契約に含まれる製品金額・返金関連・製品金額を容易に推定されうるようなや財務的情報又は免責条項に関して、製造者の事前の書面による許可なしに開示しない、(b)製造者は購入者側の機密情報を(i)共同開発会社には事前の書面による同意なしに、(ii)外国政府からの要請を受けて製品価格を含む本契約に関連する財務的情報を開示する場合がある。

(10-2)受領者側の事前措置:
第10条(機密情報)の義務を遵守する為、受領者側は少なくとも以下の事前措置を行うこと。
(a)受領者はアクセス権を持たない従業員や第三者から機密情報を守るために必要な措置をとること。
(b)受領者は契約上の義務を履行する為に知る必要のある人物に対してのみ開示すること。但し、その開示の前に、受領者はその開示を受ける人物が本契約と同等レベルの機密保持契約を交わすこと。
(c)開示前に、受領者はその開示を受ける人物に対して、機密であること、機密を守ることの指導を行うこと。
受領者が開示した人物の行動や違反に関しては、現状の雇用関係や契約関係に関係なく受領者が責任を負う。

(10-3)機密情報の返却:
開示者側の書面による要請に応じて、受領者は全ての機密情報やその複製を速やかに返却、または受領者側が選択すれば削除、破壊を行う。但し、本契約で定められている場合は、
(i)本契約上の義務の終結のために1部のコピーを保持することができ、(ii)受領者側が万全の管理で保管している自動的にバックアップされた電子ファイル、または受領者の法務部門で法務対策用に保管される電子ファイルは破壊を求められない。但し、本契約の内容に応じて引き続き保管される。
受領者による返却や破棄に関わらず、受領者は引き続き本契約上の機密保持の義務を負う。

(10-4)サバイバル条項:
第10条(機密保持)は契約終了後も10年間は継続する。但、法定の企業秘密に関しては、それが機密である期間で機密保持期間は終了するが、それは契約終了後の10年未満とはならない。

(11)通知:

通知は書面で以下の方法で送られたものを有効受取日とみなす。(a)人手で手渡されたもの、(b)Overnightのクーリエサービスでは投函日の翌日、クーリエサービスが使えない場合は認可されている宅急便、(c)E-Mailの場合は前述のどれか方法でE-Mail発送後5日内に下記住所にそのオリジナルは到着すること。各通知はこの契約上の名前、日付、組織を記すこと。

<住所割愛>

この連絡先は相手方への通知で変更される可能性がある。

(12)その他:

(12-1)紛争の解決
本契約の解釈や適用から生ずる紛争、クレーム、反訴、争議、誤解を調停に諮る前に、それらの存在をまず書面にて相手方に知らせること。その通知の後30日間、両社は解決に向けた話し合いを行うこと。その30日が経過し、両社が書面による合意で延長せず、解決ができなかった場合は、(12-2:仲裁)の手続きに基づいて仲裁手続きを開始する。'(12-1)の条項は本契約や注文に関連する両者間の争いに関連する一方による仲裁手続き開始に為に前提条件である、但し、取り返しのつかない損害の発生を避けるために、(12-1)の解決手続きを行うことなく、一方は差止請求などのアクションを取りことがある。両者は明確に後で取り消すことなく、NY州の裁判所が出す差し止め命令には従うこと。
更に、(12-1)の条項に基づいて紛争を解決を試みようという要請は第6条に規定された本契約の終了する権利に影響を与えないし、契約を終了する権利に影響を与えない。どちらかが、この事前の話し合いに参加できない場合でも、もう一方の(12-1)の仲裁手続きの開始日を遅らせることはない。

(12-2)仲裁
本契約の構成、適用可能性、違反、終了、有効性、実行可能性、和解可能性、(12-2)条項の範囲や適用含む、本契約に関連する争い、論争、クレームは最終的には和解で決着させる。
仲裁は3人の仲裁人によってICC(国際商業会議所)の仲裁規定に応じて実施される。原告側が仲裁の申し立て時に1人の仲裁人を指名する。被告側は調停申し立ての30日以内にもう1人の仲裁人を指名する。その2人の仲裁人は、30日以内に3人目の仲裁人を指名する。この3人目は裁判長の役割を担う。もし3人目が30日以内に指名できなかった場合はICCが指名する。仲裁はNY州のニューヨークで英語で実施する。両者とも仲裁の存在、全てのやり取りや証拠について秘密にしておくこと。この条項は仲裁手続きの終了後もサバイブする。
仲裁の諸費用は敗れたほうが負担することにする。しかし、仲裁の裁定の中にその費用に関しての項目がある場合は、その負担割り当てが合意可能であるならば考慮することもある。仲裁による裁定結果は最終判決であり両者を共に拘束するので、確定後速やかに実行されること。仲裁の裁定は管轄権を有するなら、どの裁判所からでも執行判決を得られる。

(12-3)購入者側の義務:
XXX,YYY、ZZZなどいろいろな部門名があるが、全てを購入者として取り扱い、推定されている。それらは連帯して本契約の購入者の責任を負う。

(12-4)広報
一方は片方の社名、製品名、商標、ロゴ、等を相手方の書面による同意なしには広報活動に利用してはならない。

(12-5)準拠法:
全ての法律問題はニューヨーク州の法律に準拠する。仲裁については連邦仲裁法に準拠する。

(12-6)第三者に関する条項
(a)第8条の補償条項の項目など、購入者が製造者に与えた権利は製造者の関連会社(Third Party Beneficiary)にも、その関連する範囲で与えられる。その関連会社は本契約の条項を履行することができる。但し、法律の許す範囲内、もしくは実行可能な範囲内に限られる。
(b)第三者によって与えらえた損失は、製造者による直接のものでないので、「indirect solely(※意味不明)」に取り扱われることはない。

(12-7)当事者間の関係
購入者と製造者はそれぞれ独立した契約者である。一方が他方の為に契約を結んだり、他方を代理したりすることはない。本契約は当事者間で「本人・代理人関係」「雇用・被雇用関係」「JV関係」「共同事業関係」などの結ぶものではなく、それを明確に否認する。

(12-8)契約譲渡
両者とも、相手方の書面による同意なしに、本契約中の権利を譲渡したり、義務を第三者に代行させたりはできない。但、製造者はその一部の業務を購入者の同意なしにABC社に代行させることがある。相手方の書面による同意なしに行われた代行業務は無効である。相手方の書面による同意を得た場合でも、その第三者の代行した業務や行為に対して免責されない。本契約は契約当事者並びに譲受人に対しても適用される。本契約は便宜、権利譲渡、特権、救済などの利益供与を、自然人・法人・会社などの第三者へ与えることを目的とはしていないことを両者は合意する。

(12-9)不可抗力
不可抗力、自然災害、洪水、激しい嵐、地震、市民暴動、ロックアウト、騒乱、通商停止、その他(購入者以外の)政府規制、戦争、テロ、パンデミック、などの通常の管理では管理不能な原因であって、怠慢の結果ではないような義務の履行失敗や遅れは、本契約上の契約違反、不履行とは見なさない。
支払うの不能は本契約上では不可抗力てはみなさない。不可抗力の影響を受けた側は速やかにに相手方に通知し、遅れの回避又は最小化に向けて、ビジネス上合理的な努力を行うこと。

(12-10)分離可能性
本契約のある条項が,管轄裁判所の判断により無効とされることがあっても,その他の条項は影響を受けず,有効なまま存続する。その場合は両者は元の条項が達成しようとした内容に最も近い内容に変更するように努力する。

(12-11)権利放棄の否定と救済
一方が本契約上の権利を放棄(非行使)したからと言って、自動的に将来に亘って放棄が続くとは判断されない。
本契約上に特定された賠償事項は(排他的ではなく)累積的なものであって、他の法律上の選択肢の行使を妨げない。

(12-12)追加的書類
両者は、本契約の目的を達成する為に必要な追加的書類やステップを踏むことに同意する。

(12-13)フォーム:
両者は契約期間中の注文書や関連書類が本契約の条項を履行や管理するのに使われることを認識している。本契約書と注文書などの書類の間で矛盾が生じた場合は本契約書の内容が優先する。

(12-14)見出し:
本契約書に記載されている見出しは参考情報であって、契約本文の一部ではなく、本文本文の内容に意味を与えない。

(12-15)副本
本契約書は3通以上の複数の副本を持つ場合がある。それぞれは正本と同じ効力を持ち、関係者全員の署名で有効になり、相手方に第11条(通知)の方法で届けられる。

(12-16)電子的方法による発信及び保管
FAXやE-Mail(受領確認機能付き)を含む信頼できる電子的な方法による署名済み契約書の発送は有効な発信方法である。本契約書は電子的方法で保管されることもあり、書面によるオリジナルの電子ファイル形式のものも、権利行使や義務履行はもちろん、あらゆる目的に利用できる。

(12-17)完全合意
本契約書、添付(Attchment)及び修正条項は、これまでに存在したいかなる合意事項をも上書きし、本契約以外に拘束力ある合意は存在しない。
本契約に特段の定めのない場合は、本契約の修正や変更は、書面に権限者の署名がない限り両者を拘束しない。

(12-18)解釈のルール
両者は合同で本契約書のドラフト作りに参加してきた。曖昧さや疑問、解釈の不一致が発生した場合は、両者によって書かれたと解釈され、本契約書の条項の書き手として、一方に偏った推定や挙証責任はない。

(12-19)英語;
本契約は英語で書かれ、実行され、やり取りされる。他国語へ翻訳されたものは正本とは認められず、英語版と他国語翻訳版での解釈の違いでは英語版が優先する。

(12-20)法務費用
両者とも自社の本契約の締結までの費用は自社で負担する。

[Attachemet A]商品仕様【※添付ナシ】→これは残念
[Attachment B]出荷計画と価格【※割愛】
[Attachment C]出荷時の書類
[Attachment D] 物流仕様※輸送時の注意点
[Attachment E]ラベル/梱包仕様
[Attachment F]製品の返却又は廃棄
[Attachment G]注文書仕様
[Attachment H]通関関連書類
[Attachment I]2020年12月31日時点での規範的行為【※記載なし】
[Attachment J]法規範たる議会法による協定の承認および批准【※記載なし】