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結局「保守ごっこ」だったのか、日本保守党

2月16日に日本保守党が松本人志氏に「お笑いから政治へ舞台を移して、その才能を活かしませんか」と秋波をYou Tubeで送られています。相当な非難がコメントにも寄せられていますが、2日経っても訂正も削除もないことから、これは公式な立ち位置と判断して、以下の内容を書いておくことにしました。

このYou Tubeから私が判断する日本保守党の本質についてです。このYouTubeで話されている内容の問題点は以下の通りです。

(1)「あれほどの『才能』を埋もれさせるのはもったいない」

私がもっとも致命的な問題だと思うのがこの言葉です。これ以外はまだ比較的軽い。この場合の「才能」というのは、おそらくお笑いの才能ですね。もし政治家として別の才能があるなら是非知りたいところですが、以下は松本人志氏のお笑いの才能として続けます。
個人的な見解と言われればそれまでですが、以前の投稿でも書きましたが、ダウンタウンのお笑いの根幹は「弱い者いじめ、負けた者いじめ」にしか見えません。

「私より ちょっと不幸で、幸せに」

姉が心の中で妹に送る川柳として、こんなのを見たことがあります(表現は少し違ったかも知れません)。人間にはやはりこうした隠しておきたい醜い部分がいろいろあります。妹が自分より良い生活をしていたら嫉妬が湧くのです。私も否定しませんし、人間であるかぎりしかたがないと思います。なので、社会生活を営むにあたって、皆わかっていながら、仮面を被って生きています。一種のタブーですね。弱者をあざ笑う、負けた者をあざ笑う。それも同じ線上にあります。
ダウンタウン以降の笑いはそんなタブーを表に出してきたように思います。「ブス」「バカ」と言って相手に暴力をふるう。そんなことを笑いにしてしまった。一方で「セレブ」と金持ちをあたかも高貴な存在かのように持ち上げる。「弱者イジメ」「敗者イジメ」「相手の弱点公衆の面前で罵倒する」そしてそれを笑いにする。そんなのが日本の伝統価値でないことは、民を思う天皇の御製の歌を引きあいに出すまでもなく明らかでしょう。
しかしダウンタウンだけに責任を負わすのは間違っています。主犯はそんな笑いを公衆に放送しているテレビ局でしょう。テレビがタブーの蓋を開け、伝統価値を率先して壊してきたこと。
そしてその片棒を担いでいることにも気付かず、称賛してしまう辺りは、テレビマン気質の限界なのでしょう。そんな人が「保守だ。日本を取り戻すんだ!」なんてねえ。

(2)「現役プロ政治家よりもマシ」

これも話にならない。比べる相手を間違っているのは明らかです。「クズよりマシなんだから才能あるでしょう」と言っているに等しい。
「法律を守る。」こんなことは最低限の人間としてのモラルです。それすら出来ないならクズです。さらに政治家たるもの最低限のモラルで済むはずはありません。公用と偽ってリゾートホテルを家族で利用しておいて「法律を犯していないから問題ない。支出は適法に処理している」とテレビで言い訳をしている政治家がいましたが、一般人ならまだしも政治家では言い訳にすらなっていない。法の抜け穴を利用している政治家は、それを作ったのが自分たちだということに頬かむりしている。そんな連中より、多くの下層市民は当たり前にモラルが高いのです。

(3)お金や下半身に甘い人は格好のターゲットになる

現在事実と認められている範囲だけでも言わずもがなです。ハニトラ、マネトラは海外や反社の常套手段です。政治家でも媚中、媚米などと言われること自体がそもそも怪しいですね。ジャーナリストでもハニトラに引っかかっているくせに、偉そうにしてる人がいますが、いくらそれらしいことを言っていても信用できないのです。
ついでに言うと、今のいろいろな戦争で「○○○の方が正しい」と善悪で語る偉い人もあまり信用できない。戦争の原因をどこまで遡るかで善悪は簡単にひっくり返ります。だから「戦争とは他の手段をもってする政治の継続である」というクラウゼヴィッツの言葉の本質は「戦争は善悪では語れない」ということだと思います。つまり、政治は善悪ではないのです。

(4)「松本人志は保守言論をしていた」

松本人志氏が保守言論をしていた姿は見たことはありませんが、「憲法改正」「国土を守れ」「軍隊と表記しろ」「移民排斥」とか口だけ保守が多かったのは今回のLGBT法の件で判明した筈です。「安倍首相が松本人志を評価していた」なんていう人もいるようです。しかしその安倍首相を騙して、防衛大臣にまでなって、LGBTで馬脚を現わした国会議員を忘れる人はいないでしょう。初めから彼女を見破ってましたか?どうやって?

(5)発言にはいろいろ逃げ道は作っておられますがダメです。

要は裁判の結果がどうであろうと、松本人志氏は他政党なら別ですが「日本保守党の政治家としての」才能や資格はありません。だから裁判の白黒は言い訳にはなりません。恐らく動画にネガティブな反応を示した皆さんは同じ思いを持っていると思います。自民党の崩壊にさいして彗星の如く現れた日本保守党は岩盤保守層の希望の星だったかと思います。しかし急に持ち上げられて有頂天になって馬脚を現わしたというように見えます。動画では誰かのことをそうおっしゃっていましたが、人のことを言ってる場合ではないですよ。私も期待してましたが残念ですね。
「思い付きですが…」とも語られてましたが、思い付きでも許されるものではありません。そんな思い付きが出てくることが問題なのです。

これまで何人の政治家が保守を貫こうとして命を落としたかご存じなのでしょうか?岩盤保守層の中には身の危険をも賭して日本保守党を支えていこうとした人を知っています。しかし「保守ごっこ」だったと知ってガッカリしていることでしょう。とても「一緒に身体を張って頑張ろう」とはならないでしょう。

「そんなこと言ってたら人は集まらない」「清い水には魚は棲まない」というのも真実でしょうが、公の場であるYou Tubeでそんな妥協を示せば、後は崩壊するのみです。
人材を公募中のようですが、集まってないのでしょうか。さらに集まらなくなるでしょう。誰も松本人志氏と同類になりたくないですから。