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流出させた議員の行為は善か悪か。難問ですよ。

2流出させた議員の行為は正か邪か。これは中国4千年の歴史でも未解決な難問です(^^;)
2010年の「尖閣ビデオ流出事件」と同じ構図。そして、赤穂浪士の討ち入りも同じ。「湯武放伐の是非」とも呼ばれています。
「湯武放伐の是非」というのは、簡単に言うと、

悪逆非道の「夏の傑王」を倒した「殷の湯王」、同じく悪逆非道な「殷の紂王」を倒した「周の武王」の行いは正しいのか否かと言う問題。ポイントは湯王も武王も「臣下だった」と言う点。
いわゆる儒教の正閏論(何が正統かに関する議論)では「簒奪(臣下による奪取)」「夷狄(他民族に奪取)」「賊后(女性による奪取)」の3つの正当性は認めないというものが主流で、この当時も「いくら前王が悪逆非道でも、その臣下が討伐した国は正統とは認めない」という考えが強く、例えは武王の正統性を認めない伯夷・叔斉が周の作物は食べないと言って山に隠遁し餓死した話は超有名で、この2人は儒教ではトップクラスの聖人に挙げられている。あの孔子もこの2人に高い評価を与えている。それなら「武王はけしからん!」となるはずだが、そこは孔子大先生も歯切れが悪くごにょごにょしている(^^;)。それに対して「武王はようやった!」と絶賛したのは孟子大先生。

尖閣ビデオ流出事件は組織の論理で出た隠蔽指示に対して、国益という大義に反するとの判断から意図的に流出させた事件。赤穂浪士も本質は「公法を犯した」藩主に対する幕府の切腹判決に不服な連中が起こしたテロ事件。どちらも構図は同じ。これの善悪に対する答えは論理からは出てこないでしょう。もともと矛盾を孕んでいるのですから。「『私はウソつきです』と語る人はウソつきかホントつきか」みたいな感じですかね。