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食材価格高騰に関する不都合な真実
ここのところの食材価格高値の原因について農水省は「雨が少なかった」とか「高温が続いた」とか「今後の天候による影響を注視したい」とか、まるで他人事の様な「コメント」をしていますが、彼ら個人としては生活には困ってないのでしょうか。
それらが引き金になっていることは否定できませんが、そんな気候の変動をモロに受けるようになった根本原因は①政策の間違い②買い手側の意識の2つの要因があると、(以前にもご紹介した)異色の東大教授鈴木宣弘先生が指摘されてます。
①政策に間違いと言うのは、根本的には作付面積を減らして自給率を下げたことで、例えば各食材の現在の作付面積のピーク時からの減少率は、鈴木教授によりますと、
・米 (▲58%)
・大根 (▲63%)
・人参 (▲34%)
・じゃがいも (▲51%)
・里芋 (▲70%)
・白菜 (▲65%)
・ほうれん草 (▲31%)
・きゅうり (▲65%)
・なす (▲68%)
・トマト (▲42%)
・ピーマン (▲34%)
・みかん (▲77%)
・りんご (▲32%)
・ぶどう (▲41%)
・なし (▲46%)
・桃 (▲45%)
・柿 (▲42%)
なるほど、列車の車窓から見ても休耕地や太陽光パネルがたくさん見えるわけです。
食料とエネルギーの両方を自給できる国が超大国ですが、恐らくアメリカとロシア以外には無いでしょう。それ以外の国はどこかの国に依存しなければならないのです。日本の食料自給率はカロリーベースでも既に40%を切って久しいですが、肥料まで含めると実質10%程度ではないかというのも鈴木教授のご指摘です。円高になるとその影響をモロに受けますし、世界的災害や戦争の影響も同様です。
農水省の政策のお陰で脆弱なってきました。
②買い手側の問題は、1つは大手流通業による買い叩きとのこと。もう1つは安さにだけつられている消費者の問題。「消費者による買い占め」の大きさも無視できないようです。
例えば、米でもトイレットペーパーでも、極端に言うと、今までは1つしか買わなかったところを、2つずつ買った途端に流通在庫なんて払底してしまう訳です。
昔は「クロヨン(9:6:4)」とか「トーゴーサンピン(10:5:3:1)」とか言って、農家はズッコイというイメージが流布されてましたが、今では農家はイジメられて可哀そうみたいになってます。実態はどっちもどっちで、みんな頭が資本主義脳になっているので、誰もがズッコイのです。
とはいえ、政府としてはそんなこと関係なく、食料とエネルギー自給率を高めるのは政府の基本中の基本のミッションだと思いますが、そんなことできないようではダメですね。
◇野菜もコメも高値続く キャベツなど平均価格は平年比2倍超(NHK:2025/2/27)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250226/k10014733711000.html